まず、表紙イラストを作成するといっても、やり方は一つではない。

大前提として自分で描くという方法ももちろんあるが、多分そういう人はここ見る必要がない方々である。
というわけで解説は除外するというか、そもそも自分で描けるならこういうコンテツ作るに至らない。是非もないよネ!

簡単に大別するなら、
下の二つに大別できる。

  • ネット上素材から素材を探して自分で作る
  • 誰かに描いてもらう

この二つは更に細分化できるし、組み合わせて作る方法もある。
大事なのは自分に作りたいものと、現実的に作れる範疇から適切にやり方を選ぶことだ。

まずはこれらの方法をもう少し詳しく解説していこう。

ネット上から素材を探して作る

ネットには様々なイラストや背景などの素材がある。
フリー素材として公開してくださっていることも多い。

中には、このクオリティでフリーなの? 出来よすぎない? と驚くものまである。

そういう素材を組み合わせて自分で表紙を作ってしまうやり方だ。

キャラクターを必要としないタイプのものなら、書籍と比べてもさほど遜色ないものが作れる。

ラノベのようにキャラクターを重要視するなら、キャラクターのフリーイラストを探す必要性がある。
これも探せば様々なイラストが見つかる。便利な世の中になったなあ。

素材を探して作る最大のメリットとしてはとにかく安く作れること。
基本的に画像編集ソフトも素材も、フリーなものを使えばコストはかからない。
無料! いい響きだよネ!
技術面でも一からイラストを描く必要がないため難易度も大きく下がる。

また完全に無料とはいかなくても、数百円や千円程度でもクオリティの高いキャラクターイラストが販売されていることもある
たとえ安価でも、購入したイラストというのは加工の制限は少ないものが多い。

デメリットとしては素材としてあるものでしか作れないということだ。
背景やちょっとした吹き出しやワンポイントのマークならかなりの数の素材がネットにはある。
しかし数が多いからこそ、探すのにはそれなりに時間がかかってしまう。

それにキャラクターイラストの素材となると、他に比べて数に限りがある。
出したいキャラクターの外見がしっかりと固まってしまっていたり、マニアックな要素が強かったりすると、イメージに合ったイラストが見つかるとは限らない

加えて、技術面でも素材を組み合わせて文字を入れるため、最低限度のイラスト加工技術はいる。
素材の組み合わせや配置、装飾などには個々のセンスも必要となる。

とはいえ、どうやったら見栄えの良い表紙が作れるかは私が経験し学んできたことを元に説明するし、根本的にセンスとは本人の努力次第で磨けるものというのが私の考えである。

とりあえず安く作るのだから、その分手間暇はかかるよって話だ。

誰かに描いてもらう

自分で描けないなら他の人に描いてもらえばいいじゃない理論。

これのメリットは自分で全ての素材を探す必要がない。
素材探しにかかる時間は結構バカにならない。
下手するとその後の加工の方がずっと楽だったという展開もザラにある。

またイメージに合った素材がないという問題もなくなり、オンリーワンの独自性が強い表紙を作ってもらえる
独自色の強い作品として押し出すならこれも重要な要素となるだろう。

無料で描いてもらう

絵師様にお願いして無料で描いてもらうケース。
選択肢としてはこれもある。
もしくは二次創作の場合だと、公開しているイラストを許可とって使わせてもらうという手もある。

当たり前だけど、お願いしたら誰でも無償で描いてくれるわけじゃない
これはあくまで仲良くなった絵師様にお願いして描いてもらうやり方だ。

実際、私の小説表紙のうちいくつかは友人の絵師様に描いて頂いたものだ。
なお製作者はこじ絵師さまです。その節はマジでありがとうございました。

私の場合、小説を書いていく中で偶々出会い、交流していく中で仲良くなったという流れだ。
表紙イラストをお願いするために仲良くなったわけではなく、仲良くなった結果描いてもらえたという方が正しい。

根本的にコミュ力がいるし、描いてもらえる仲に至るまで時間もかかる。
今すぐ作りたいという人には向かない手段だ。

それに無償で頼む以上、あまり細かく指示するというのは気が引けてしまう。
出来上がったものがイメージと違ったとしてもリテイクをお願いしにくい。

そしてもし完成イメージが違ったとしても、お願いして作ってもらった以上は使わないと角が立つ。
などなど、人間関係上からのしがらみや問題が生じる可能性はある。

ただ、逆になあなあの関係なので、ある程度ふんわりしたイメージでも頼みやすいというメリットもある。
こちらの好みを予めわかってくれているなら、その辺ある程度察してくれることもあるかもしれない。

有料で描いてもらう

きちんと料金を支払って仕事として絵師様に依頼する

最も自由度とクオリティを高く表紙イラストを作成する手段だ。

仕事として依頼するので、こちらも描いてほしいものをしっかりと指定できる。
料金の範疇内ならばリテイクによる描き直しも気兼ねする必要はない。

最大の問題としては、絵師様への依頼は敷居が高く感じやすい。
しかしながら素人でも依頼できる間口はちゃんとある。

料金に関しては絵師様や内容により大きく変わるが、安ければ千円かからないこともある
これは発注する相手やサイトの選び方次第だ。

私は一部イラストやバナーの中には、ワンコインに収まる金額で制作してもらったものもある。
ワンコインといえどもイラストのクオリティは低くなく、とても気に入っている。

また、イラストでキャラの立ち絵だけを描いてもらい、背景やタイトルの文字入れは自分で行うハイブリット方式もある。
これなら費用はキャライラストだけで済み、依頼しても比較的安価に表紙を制作可能だ。

ただ今度は素材選びではなく絵師様選びから話は始まる。

当然絵師様との直接的なやり取りも発生する。
ここは勝手がわからなければ踏み込みにくい領域ではあると思う。

私は以前からPBWという絵師様にイラスト作成してもらって遊ぶゲームをプレイしているため、この手の発注作業には多少慣れていた。
それでも最初は結構緊張したので、完全に初めての発注は不安や心配で躊躇する人も多いだろう。
そもそも、その手の経験もなければ、まず直接発注するという発想すら出ないことも珍しくない。

それに有償で依頼する場合、最初の依頼時からイラストの細部もできるだけきっちり決めておかないと、後にトラブルの元になる。

そういう意味ではやはり、初心者がいきなり絵師様に依頼するのは敷居が高い世界ではある。
とはいえ、これは単なる慣れの問題なので本当は別段恐れる必要もない。
私はこれまで何度も絵師様に発注してきた経験がある。

これらを元に、絵師様への発注手順ややり取りの仕方、何をすればいいのかについても今後のコンテンツで説明を行っていく予定だ。

それに絵師様毎に料金は違うとはいえ、こうすれば高くなる安くなるという値段設定の条件は多くが共通している
その辺も踏まえた見積もり依頼の方法なども解説していく。

悪いことの方が目立つ書き方になっている気がするけど、私は現在有償で依頼する方式が最も多い
これは実際に頼んでみないとわからないことなのだけど、きちんとしたイラストレーターの手で自分のキャラクターがイラストになるのは得難い快感と感動がある。

自分の頭の中にしかなかったものが形になる喜びは是非一度感じてほしいと本気で思う。
また、キャラがイラスト化されることでイメージもより具体的になり、キャラクター性そのものを固めたり発展させたりにも繋がることがある。

この快感を味わうと中には抜け出せなくなって財布の中身がヤバいことになる奴もいる。主に私とか。
一緒にイラスト沼に浸かろうぜ!イラストの作成は計画的に。

イラスト作成方法毎のメリット・デメリットのまとめ

最後にこれまでイラストの作成方法について、メリット・デメリットを改めてまとめてみよう。

ネット上から素材を探して作る

メリット

  • フリー素材を使えば無料でも作成可能
  • 全部自作なので他者とのやり取りが必要ない

デメリット

  • 素材集めに時間がかかる
  • 最低限の編集知識と作成における手間暇は必要
  • 表紙のクオリティは素材と本人のセンスに左右される

絵師様に無料で描いてもらう

メリット

  • 無料で一点物のイラストが作成してもらえる

デメリット

  • 絵師様と仲良くなる必要がある(コミュ力必須)
  • イメージ違い等でのリテイクを出し辛い
  • 気に入らないから使わない、別絵師様に書き直してもらう等がやりにくい

絵師様に有料で描いてもらう

メリット

  • 有償での直接依頼のため最もイメージに近い表紙を作成しやすい
  • 絵師様(絵柄)を選べる
  • イラスト内容次第ではとても安価に作れる

デメリット

  • お金がかかること前提
  • 依頼には慣れが必要で初心者には敷居が高い