くあたんノベルズ

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「執筆小説」の記事一覧

マイナスの使い魔 第二十一敗『あんまり虐めちゃ駄目だよ』

「ミソギは誰よりも低い位置にいる存在だ。ミソギは勝てない。誰と戦っても、どう戦っても、ね。彼は常に負け続けることを宿命付けられた存在なのさ」 「それはこれ以上無い欠点(マイナス)じゃない。そんなのが何の自慢になるっていう […]

マイナスの使い魔 第二十敗『この学院始まって以来の大事件だ!』

『あれは……!』 「ゴーレム。それもトライアングル以上」  禊がオーバーなリアクションを取ると本気なのか疑わしくなるが、そんなことは無視してタバサはいつものトーンで答えた。  巨大なゴーレムはその豪腕で塔の壁面を一撃で打 […]

マイナスの使い魔 第十九敗『生きてきたんだろうね』

 夜のとばりで対面する球磨川禊に、タバサは少なからず戦慄を覚えていた。  戦いの最中で、恐いと思ったことはある。危険に身を晒して、神経が過敏になって自分の鼓動を感じるのも珍しい経験ではない。  しかし、対面しただけで戦う […]

マイナスの使い魔 第十七敗『僕にはわからないな』

 店の主人がデル公と呼んだ剣は厄介者だった。喋る剣という物珍しさこそあるが、それだけだ。剣としては錆だらけで、ろくに手入れもされてない最低ランクの代物である。 「それ、インテリジェンスソードなの?」 「そうでさ。どこの魔 […]