地獄の道を赤木しげるが行く。

 獄卒――地獄の鬼を案内役にして。

 暫くは地獄の様子を見学して、時々獄卒にあれは何かと問いながら、まるで旅行気分である。

 普通ならあり得ない待遇。

 だが、その理由は未だハッキリしていない。

 その理由を知るためにも赤木は指示された針山へと向かっている。

「あそこだ」

「あれが……」

 獄卒が指差した先には、大小長短、様々な針や剣のような鋭い刃物で作られた山がそびえ立っていた。

「これを登れってのか?」

「そうだが、お前はこっちからだ」

 獄卒に連れられて、ぐるりと外周を回っていく。

 すると針山に一箇所だけ、絨毯が掛けられた道があった。

「この絨毯はかなり厚手の特殊生地で作られている。お前が乗っても沈まず、針は刺さらない」

「そいつはご丁寧だな。いいのか、地獄でこんなことして」

「地獄の統率者様が決めたのだ」

「閻魔がか?」

「いいや……」

 獄卒は首を左右に振って、赤木の質問を否定した。

「閻魔様より上に君臨されている御方だ」

「なんだ、閻魔が地獄のトップかと思ってたが、まだ上がいたのか」

 一般的な教養で言えば、地獄のトップは閻魔大王様。

 彼が人を裁き、地獄へと送る。最大責任者だろう。

 それより上の存在が地獄にいるのは初耳だった。

「登れ……。俺はここまでだ」

「流石に獄卒は山登りには付き合わねえか」

「俺は許可されていない」

「山登りにも許可がいるのか。お役所は面倒だな」

「そうではない……。ああ、迎えが着たようだぞ」

 赤木がこれから登る針山を、逆に下りてきた者がいた。

 それもまた角の生えた鬼。

 しかし、その服装は和装ではなかった。

 現世で何度も見ているスーツ姿だが、中でもレアな白スーツ。

 目には黒いサングラスまでかけている。

「ご苦労だったな。連絡は受けている」

 スーツの鬼と獄卒は互いに礼を交わし合って、獄卒はそこで仕事を終えたとして去っていった。

「赤木しげる様……お待ちしておりました。どうぞこちらへ」

「ククク……」

「どうなされました?」

 スーツ姿の鬼を見た途端、赤木は自然と笑いが込み上げてきた。

 お待たせしました。ではなく、と来たか。

「いや、なんでもない。行こう……」

 そして、何の躊躇いもなく、針山の絨毯へ一歩を踏み出す。

 獄卒の言った通り、針は刺さらない。

「そんなに待っていたのか……」

 針山を登りながら、独り言をポツリと漏らした。

 山登りをしながら左右を見渡すと、針に刺さり痛みに唸る者、悲鳴を上げて泣きながら降ろうとする者。

 様々な、けれど一様に責め苦に苦しむ亡者達が見える。

 ここまでの道のりもそうだったが、地獄の光景を観ると、自分が死んだのだという自覚が出てくる。

 赤木が死を決心した時、死の前に通夜を行うと決めた。

 死んでから皆がワラワラ集まり、死者の姿を見る。

 それ自体に意義はあるだろう。

 しかし、それは残された者達にとっての意義。

 死んだ者には誰が集まったのかも、何を話したのかもわからない。

 死者にとっては意味も意義もない。

 逆だ。

 死ぬ前に会い、話があるなら話しておくべきだ。

 そうして赤木が最後に話すと決めたのは、東西戦の面子だった。

 赤木にとって人生最後の真剣勝負。

 その場で闘った敵と味方達。

 彼らであろうと思った。

「ククク…………らしいんだか、らしくねえんだか」

 そう、あの東西戦は紛れもない、混じり気もない、人生最後の真剣勝負だった。

 しかし、死ぬ前に知り合いと語り明かすと決めたのは、今となっては意外でもある。

 彼らには熱があった。

 しかしただの熱ではない。

 温かさだ。

 優しさとも言い変えていい。

 あのヤクザの原田さえ、赤木の死を止めようとした。

 それが余計なお世話だったとしても、彼なりの敬意や厚意があっての行動だ。

 人生最後の真剣勝負の相手、そして仲間達としては、これ以上ない内容とメンツだったと言える。

 だが、『人生最大の勝負』はまた別だ。

 そして、もし死ぬ前に、その関係者がまだ生きていたとしよう。

 赤木はその者達を通夜に招いただろうか。

「否……それはない」

 自問自答。そして即答。

 そんなことをして薄めたくない。あの一夜の勝負を……。

 あの一夜には温かさなんてものはない。

 ただただ冷たい死神の刃と、それ以上に滾り焦がし、焼き尽くす熱があった。

 生の実感が薄い赤木しげるでさえ、生きていると強烈に感じられた程の熱だ。

 少なくとも、の赤木はそう思う。

 肉体と精神の最盛期にある、赤木しげるには。

 針山を登り、あの夜を思い出した頃から、急速に肉体が変化していった。

 シワが減り、気が付くと服装も老いた頃よりシンプルなものへと変わっている。

 もしも天やひろゆきが今の赤木を見たら、どう思うか。

 同じだと思うか。

 それとも別人だと思うか。

 才気はある。今も昔も。

 他人を寄せ付けない、神域の才。

 勝負が人生の全て。

 そこは死の寸前まで一切変わらなった。

 女や酒。

 友人。

 家族。

 そういった溺れるもの。触れ合おうもの。安らかな時間。

 そんなものは全部休憩。

 勝負の合間にある息継ぎに過ぎない。

 偏った考え。

 他人から見れば狂った意識。

「なんだったらチキンランなんてやっていたガキの頃から何一つ変わっちゃいねえ」

 唯一、その偏りを誇りに生きてきたから。

 それでも多分、皆は今と昔では変わったと答えるだろうと赤木は決めつける。

 晩年の赤木しげると、最盛期の赤木しげるは違う。

 口数も、運も、そして狂気も。

 人は寄ってくる。

 赤木しげるの才能が強力な磁場となって、悪人が善人が、天才が凡人が、惹きつけられてくる。

 しかし、その全てを赤木は纏わなかった。侍らかさなかった。

 年をとってからよりも、明らかに昔の方が、他人との関わりは少ない。

 一人だった。

 一人だったが独りではない。

 孤独ではなく、孤高だった、

 強いていうなら、好き勝手に寄ってきて離れようとしなかったのは、治ぐらいなものだろう。

 それすらも今はもう随分と懐かし名前だ。

 むしろ偶然に再会を果たした治からではなかったか。

 自分が人を固く突き放さなくなったのは。

 そういう流転があり、金光のような自分の死にまで世話を焼いてくれる者や、必死に自殺を踏みとどまらせようとする者。

 深くはなくとも長い繋がりのある者達と巡り会うようになり、縁を結び、命日の日に辿り着いた。

 あれは悪くなかった。

 赤木しげるが考え得る、赤木らしさのある上で、最高の最期だったであろう。

 若き日の己は、あんな最期を迎えるなどと、まさに夢にも思っていなかった。

 だが、かつての己もまた己なのだ。

 じっと死を見つめていた、生の実感がなく、ただただ勝負に熱くなり周りすら見えないまま勝利を重ねていた。

 崩し、また重ねて、その結果何度も死線をくぐり抜け続けた。

 あの頃の自分。

 それが、針山の絨毯を一歩踏みしめる度に、戻る。戻ってくる。

 若き日の赤木しげる。

 真の意味での全盛期へ至った時、針山もまた頂上へと辿り着いた。

 針山の頂上は一面に絨毯が敷かれており、円形で平らになっている。

 その中心部にはテーブルが置かれている。

 四角い緑色のテーブルで、真ん中だけが黒い。

 赤木はそれに見覚えがある。

 否、アルツハイマーによって失われた記憶が戻っている今、忘れられようはずもない。

 あれはテーブルではなく、卓と呼ぶべきものだ。麻雀卓。

 それも特性。

 特注。

 特別。

 現世では唯一つだけの代物だった。

 それが、地獄の針山の頂上にあるのだ。

 卓には既に三人が囲うように座っている。

 そして、その内の一人に取り巻きとして何人もの白服達が控えている。鬼と人が混じっていて、どれも緊張した面持ちだ。

 他にも何人かが卓の周りに立っている。

 全員が、赤木しげるの到着に気付き、視線を送ってきていた。

 その中でも一人、取り巻きを背後に置きながら、熱烈な意思を送ってくる者がいる。

 とりわけ強烈な熱視線。

 怒り、憎しみ、殺意、覚悟。

 それだけではない。

 歓喜、悲しみ、感動さえもが、その視線には詰まっているように感じる。

 視線の主は老人だった。

 しかし、そこに年老いた者の脆弱性は皆無だ。

 ギラついた双眸。

 長く伸ばされた白髪。

 どこか禍々しさを感じさせる独特なデザインの、豪奢な洋服。

 全てがのままだ。

 老人はまるで獣が獲物に歓喜し牙を剥くように、口を開いた。

「久しぶりじゃのお……赤木しげる」

 落ち着いた、けれど興奮を隠しきれない声色だった。

「ああ、確かに、久しいな。鷲巣巌」

 鷲巣巌。

 赤木が敗北を喫した数少ない相手。

 そして伝説の一夜を共にした、傍から言えば好敵手ライバルと呼べる存在。

 赤木しげるという男の歴史を知る者ならば、赤木最大の敵対者としては、蘇我よりも、この鷲巣巌を挙げる者の方が多いだろう。

「探しとったぞ、現世で……ずっと、ずっと……それこそ死ぬまで」

「死ぬまで……?」

「そうじゃ、わしは貴様が帰った後。戻ったのだ。現世へ……! そしてもう一度、今度こそ完全にくたばるまで、おまえを……おまえだけを探し続けた……!」

 死ぬまでという言葉は、死んでからだからこそ重い。

 鷲巣巌という男の人生は決して軽くない。

 外道、鬼畜、狂気……悪そのものを極めて、凝縮して、頂点に立った人生。故に濃い。

 その人生を煮詰めに煮詰めた最期の時を、鷲巣巌は赤木しげるとの再戦のために注ぎ込んだ。

 他の事柄には目もくれず、ただ赤木しげるだけを追い続けた。

「そして死んでからは、待った。ここで、貴様が死に、地獄へ落ちるのを……!」

「それはとんだ暇人だな」

「貴様! 地獄の統率者、鷲巣様になんたる無礼か!」

 鬼の白服が無礼な態度の赤木に食ってかかる。

 生前から凄まじかった部下からの崇拝は、今も変わらないようだった。

「グズめ……! 無礼は貴様じゃ……!」

「ぎゃあっ!」

 しかし即座に立ち上がった鷲巣の張り手が、白服の顔を叩き、絨毯の上に転がす。

「赤木しげるはわしが唯一認めた男……わしと同格…! もう一人の神」

 かつて振り回していた杖が、今はもうない。しっかりとした足腰で立っている。

「それに、確かに暇じゃったからの。暇で暇で……退屈凌ぎに地獄を支配してやったわ」

「地獄の支配が暇潰し……!」

 鷲巣の発言に、白服の鬼達がざわつく。

 彼らはずっとここで支配してきたのだ、人間を。

 延々と終わらない地獄の歴史を繰り返してきた。

 それをたった一人の男が革命してみせたのだ。

 言わば鷲巣は江戸時代にやってきた黒船……!

 一つの時代を変えて、終わらせてしまった。

 地獄における、新たな時代の開拓者。

 その男が、地獄の支配を暇潰し扱いしたのである。

「ああ……? 何をざわついておる、木っ端鬼共が」

 しかし鷲巣当人にとってすれば、見方は大きく違う。

 生まれついての支配者……。鷲巣にとって地獄の支配はある意味自然のこと。

 やって当然。できて当然。

 昔ならそこに支配者としての愉しみもあったろうが……駄目だった。

 赤木を知ってしまったから。

 もはや赤木しげるとの再戦こそが、鷲巣にとって唯一無二の生きがい。

「あの時より随分元気みたいだな」

「キキキ……そうじゃ。地獄では体力が最盛期になるからの」

 昔の鷲巣は明晰な頭脳に加えて、肉体的な鍛錬も完璧。

 そのパワーで巨大亀の首を力で曲げてしまったことまである。

「今のわしはより完全になった……! 貴様はどうじゃ、赤木!」

「そうだな。俺も似たようなもの……悪くないコンディションだ……」

 生前に壊れた記憶や視界は完璧に戻った。

 アルツハイマーになる前から長期間の勝負では負担に耐えられなくなっていたが、この分なら体力も最盛期になっているだろう。

 そして精神も、より常軌を逸していた頃に戻っている。

 これもある意味で必然のように思えた。

 年を取ってから使い出した、チャンタを軸にした常勝のシステムではなく、あえてリスクを選ぶ。

 ギリギリ……死の淵に立つ。

 死にいく麻雀……!

「それに安岡さんや仰木さんも」

 互いに随分と久しい再会だった。

 赤木にとってはいつ死んでいたかも分からぬ者達である。

 卓についている安岡が苦笑する。

 まさかこんな形で再会するとは互いに思っていなかっただろう。

「ああ、あの日の再現ってことで、俺達も呼ばれたよ」

「仰木さんも懲りねえな。死んでからも鷲巣の財産を狙うとは」

「いや、俺は代理だ」

「代理?」

 安岡はあの夜の伝説、その再戦のためにセッティングされた人物。

 過去はセッティングする側だったのが皮肉なものである。

 だが、仰木は別の役割があるらしい。

「赤木……この闘牌には地獄の未来がかかっている」

「地獄の?」

「そうだ……。あろうことか鷲巣は地獄の支配権を閻魔大王から奪いやがった……」

「それで地獄のトップが変わったってわけか……」

 鷲巣が地獄の支配者となったため、閻魔大王は大王としての資格を喪失。

 今は鷲巣大王の下で働く一役人に堕ちている。

「閻魔は死者の裁きで動けない。だから、赤木と面識のある俺が、おまえに代打ちの依頼と見届け役を任された」

「ククク……そういうことか」

 これでこれまでの流れに合点がいった。

 死んだ鷲巣が地獄を支配した。

 それに対抗するため麻雀勝負。

 しかし、鷲巣には備わっている。

 神すら従える豪運……! 超運……! 神通力が……!

 地獄でも対鷲巣に抗できる者はいなかった。

 それができるのは現世とあの世、両方を探しても赤木しげるだけ。

 だから待っていたのだ。

 赤木が死んで、地獄に落ちるのを。

 もはや神頼みならぬ、赤木頼み……!

「言葉で説明するより、こっちのが早いじゃろ。おい、板倉……あれをやれ……!」

「はい、ただいま……!」

 これまで仰木の説明を待って黙っていた鷲巣が、近くの白服鬼に何かを命じる。

 すぐに鬼の板倉は携帯電話で何かを伝達。

「見ろ、赤木……!」

 すると、近くの崖からロープで腕を縛られた若者が、近くの崖に現れて突き飛ばされた。

 若者は針山に突き刺さり悲痛な叫びを上げる。

「ぎゃあああ! 痛い! 痛いー! さっきまで天国にいたのに、何で……ひいいいいい!」

「ちくしょう! 鷲巣はああして気分で人を連れてきて地獄の拷問にかけやがる」

 若者をいたぶる愉悦に唇を吊り上げながら、鷲巣は赤木に説明する。

「あの者は特に何もしてない。積み上げてないが、一応問題も起こしてない。典型的な駄人生のクズ。生きてるだけ無意味だった者」

 漫然に生きて、何もなさずとも、真面目に生きてきた者。

 そういう者は死ねば天国へ行ける。

 しかし鷲巣はそれが気に入らない。

「地球や日本に何の貢献もしておらん。それが何もしなかったから天国などと……クソじゃろ! そんなの……! だからわしがこうして手ずから罰をくわえてやっておる」

 滅茶苦茶な理論。暴論。しかも性質が悪いのは、鷲巣にはその暴挙を実行できる力があるということ。

「言わば無実が罪……! 無実罪じゃ……!」

「馬鹿野郎……! そんなんじゃ何したって、しなくたって全員地獄行きじゃねえか!」

「悪徳刑事が抜かすな……! キキキ……この地獄ではわしがルール。この針山は存外気に入っておる。こうして無様な若者を見下ろすのは、それこそ暇潰しには持ってこいじゃったからの」

「どうやら地獄に落ちても相変わらずのようだな……鷲巣」

 むしろ闇の帝王の暴走は悪化していた。

 現世では国家権力という鷲巣の暴走を止める一応の機関があったものの、ここでは鷲巣こそが真にトップなのだ。

「赤木……! ここは人間に責め苦を与える地獄だ。ここでこんなこと言うのはおかしいかもしれないけどよ。地獄を救えるのは、もうおまえしかいねえんだ!」

 仰木に懇願されても、赤木はマイペースに懐から取り出した煙草に火を付けて一服する。

「鷲巣……あの勝負はおまえの勝ちだ」

「なんじゃと? 認めるか……そんなこと……!」

「たとえ神でも、おまえでも変えられねえのさ……博打の出た目は」

「ああん……? じゃがわしは生き返った。おまえは金を置いていった。ならば未決着……! 未決着じゃろが! ええ、赤木よ……!」

 赤木と同様に鷲巣も一度は敗北を認めた。

 しかし赤木が金を置いて勝ちを放棄したことで、勝ちをと怒り爆発……!

 自身が死せず復活したことで、鷲巣は真の決着を求めだした。

 そしてその執念は赤木が思っていたよりも遥かに強かったのだ。

 地獄を支配したのもそのためだった。

 自分に対抗できるただ一人の存在が赤木しげるだ。

 鷲巣という悪神となれば、もう一人の赤木は善神として立たされる。

 本人の悪漢ピカロという性質とはまた別。

 そういう流れ。定め。運命。宿命。

 水が高きから低きにながれるように、遥かな巡りの末に辿り着く。

 鷲巣はそう確信していた。

 半身なのだ。赤木しげるは……!

「フー……言葉じゃ平行線だな」

 この傲慢不遜を貫いてきた老人に、今更何を言っても聞きやしないだろう。

「だが、待たせたのは確かなようだ」

 待っていたのだ、鷲巣は。現世でも地獄でも。

 赤木との闘いを。そして今度こそ、誰もが納得できる、はっきりとした決着を。

「やってくれるんだな、赤木!」

 本来の地獄代表、閻魔の使いである仰木が安堵の混じった笑みを浮かべる。

「受けよう……この勝負……!」

「そうじゃ、赤木しげる……!」

 赤木との再戦を求め続けて死んで、そして生きた鷲巣。

 同じように求めているのだ。赤木しげるも……!

 血の滾る、ひりつく様な真剣勝負を……!

 赤木しげるはここに在る。

 我思う。故に我あり。

 ならば勝負を楽しもう。

 それが赤木しげるなのだから。

「卓につけ……! わしとおまえの勝負はまだ……!」

 自殺というは終わりだ。

 ここからは新たな勝負。

 赤木しげるが鷲巣の対面トイメンへ座る。

 崩してきたはずの成功だったが、どうやらその積もった成功が赤木しげるを、ここへと導いたらしい。

 ならば現世の成功を全て乗せて、

「倍プッシュだ……!」


アカギの最終巻が発売したら、

完結記念に書こうと決めていたネタです。

この話を最初に思いついたのは鷲巣様がダブル役万決めた頃だったなあ。

まさか、あそこからここまで伸びるとは・・・!

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